愛好家たちの声 #15 三浦玄 | Purify Time(ピュリファイタイム)

愛好家たちの声

#15

ロケが続くと
時計の臭いも
気になったりする

写真:三浦玄さん

三浦 玄(みうら・げん)
スタイリスト

1983年生まれ。フリーランススタイリストとして、主に映画やドラマでのスタイリングを手掛ける。アメリカでは一般的なプロップスタイリングを日本でも実現しようと、洋服以外にも腕時計や小物の提案を自ら続けている。

三浦 玄さんは若手スタイリストとして、主に映画などで俳優さんのスタイリングを手掛けている。衣装は世界観を築く大きな要素でありながら、時代性や登場人物の個性を表すはずの腕時計が重要視されていないことに気づき、仕事として触れているうちに自分も時計収集にハマってしまったという。そんな彼の時計観や、スタイリストならではの観点からメンテナンスについての話を聞いた。

勉強しないと
スタイリングもできない
そう思って触れ始めた腕時計

時計に触れてみると、現場には時計好きの監督や役者さんも実際多くて。衣装打ち合わせの段階から自分の時計コレクションを持ち込んで、役に合わせた時計をプレゼンすることでより深く役作りをできるようになった気がします。

こう語る三浦さんは、
時計にのめり込み始めたのは約2年前。
その魅力に気づき、わずかな期間で
仕事でも生かすほどに
どっぷりハマってしまったそうだ。
こう語る三浦さんは、時計にのめり込み始めたのは約2年前。
その魅力に気づき、わずかな期間で仕事でも生かすほどに
どっぷりハマってしまったそうだ。

36才くらいのころですかね。仕事も順調になってきていい時計を1本欲しいなと思ったんです。スタイリングの勉強のために、普段から資料や雑誌を読んでいるんですが、調べ始めてみると時計特集でもない限りは時計が出てこなくて。詳しく知る方法がなかったんです。同時期に、ドラマのスタイリングの仕事で小道具も担当するようになってきたんですが、そんな状況だったので最初は見た目のインスピレーション重視で、貸してくれるとことで時計を借りて衣装にしていました。

思い出に残っている作品と時計はありますか?
思い出に残っている作品と時計はありますか?

『ハゲタカ』というドラマで、綾野 剛さんの専属でつかせていただいたんですが、このときにお借りしたピアジェとヴァシュロン・コンスタンタンの時計は印象的でした。ファンドのマネージャーがどんなスーツや時計を身につけるのか。試行錯誤して、スーツもメガネも毎回変えるよう徹底してスタイリングをしたんです。もちろん、それは近い距離で見ないとわからない細かな差なんですが、役柄に合わない時計や小物をしているケースが日本のドラマではとても多いので、、、。きちんと考えたものを持っていくと、着ける役者さんには喜んでいただけます。モノを知っている方も多いので、これはちゃんと勉強しないと恥ずかしいぞ、と改めて感じた仕事でしたね。綾野さんも時計がお好きだったみたいで、喜んでくれたのもとてもうれしかった思い出です。

ご自身が時計という趣味にハマる
きっかけとなった時計は何でしょうか?
ご自身が時計という趣味にハマる
きっかけとなった時計は何でしょうか?

オメガ グローブマスターですね。これを買ってからメチャクチャハマりました。20代のころはとにかく現場優先で、G-SHOCKやルミノックスなど頑丈で汚れても気にならないような時計しか持っていなかったのもあって、初めての本格機械式時計を手にしてとても気分があがりました。自分の年齢に伴って、ロゴが目立つようなブランドも着なくなり洋服もどんどんシンプルになりましたから、白ダイヤルのこういうシンプルな時計に魅力を感じたんです。あえて、休日に白Tシャツにこれだけ着けたりして楽しんでいます。

今日お持ちいただいた時計は、
他にもブライトリングやロンジンなどを含めて、
新しいものから古いものまで
多彩なラインナップですね!
今日お持ちいただいた時計は、
他にもブライトリングやロンジンなどを含めて、
新しいものから古いものまで多彩なラインナップですね!

一応、自分のなかでのこだわりがあって、集めているブランドはメジャーなものが多いですが、そのなかでも珍しい時計を選ぶようにしているんです。ベタなものは買わないようにしているというか、ちょっと天の邪鬼というか(笑)。ブライトリングは少し前のコルトで、クォーツ式で38mmと小ぶりなところが使いやすくて気に入っています。現場につけていくことが多くて、血ノリがついても洗える丈夫な時計です。ロンジンは、スーツも着ないのに買った1本で、時計好きの仲間がアンティークの良さを教えてくれて、その影響で手に入れました。60年代くらいの手巻き時計ですね。

スタイリストさんというと
洋服や靴のお手入れも忙しいと思いますが、
それに加えて時計までとなると
とても大変そうです。
スタイリストさんというと
洋服や靴のお手入れも忙しいと思いますが、
それに加えて時計までとなるととても大変そうです。

元々、お手入れは好きな方なので苦にはならないですね。時計の手入れは特に夏場に大切だなと感じていて、僕の場合は地方ロケで時計をつけっぱなしだったときに痛感しました。このオメガをしていたんですが、なんとなく臭いが気になるなと思っていたら、自分の手元がその原因で(笑)。そのころはこのピュリファイタイムのようなクリーナーの存在を知らなかったので、渋谷の東急ハンズの時計コーナーでメンテナンスしてもらっていました。ガラスコートとかも気になって試したりしましたね。簡単なお手入れが自宅でできるとなれば、持っていく手間やわざわざ時間をつくることも省けるし、何より時計をいじっている時間が増えるのはとても嬉しいポイント! 磨いて、愛でながらお酒飲めますよ(笑)。

とにかく三浦さんは
時計にのめり込んでいるんですね(笑)。
手入れの時間を作ることで、
より愛着が湧くということもありそうです。
とにかく三浦さんは時計にのめり込んでいるんですね(笑)。
手入れの時間を作ることで、
より愛着が湧くということもありそうです。

まさにそうですね。これ以上どっぷりいったら大変です(笑)。まあ、仕事にも生きていますし、語りだしたらまだまだお話したいことがたくさんあります。時計って長い間使える分、時代性とか世界観を構築できるってお話をしましたけど、例えば90年代くらいの話の映画なのに2022年の新品時計が入っているとやっぱり気になるんです。僕が担当していたらそういうのは阻止するんですが(笑)、そういう価値観を伝えたいし、そんな時計が先々まで残っていくためにも、自分の時計を手入れするって大事なことだって思います。

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